第108回アメリカ矯正歯科医会
ここ数年で急速に普及したのがデーモンに代表されるセルフリゲーションブラケット,インビザライン(クリアライナー・アクアシステムなど)に代表される透明のプレートでの矯正治療,そして日本ではなぜかインプラント矯正などと呼ばれているTAD(テンポラリーアンカレッジデバイス)を使った矯正治療がある.この数年の普及により,いろいろと結果が出てきてその検証作業が始まった.
まず,セルフリゲーションブラケットだが,結論から言えば,スピードや痛みに違いはなく,少し壊れやすい,ということだ.しかし,臨床的にはとても便利で,チェアタイムが短くなるので,デーモンを出しているオームコ社だけでなく,各社こぞって出し始めたという状況.私が使っているTipEdge plusブラケットもセルフリゲーション版を開発中とか.
インビザラインの発表は僕は直接聞かなかったが,篠原先生や賀久先生が聞いた話では,『全然治っていない』というものであった.結局最後にはブラケットをつけて並べます,ということを患者さんに説明しておくように,なんてセミナーも.世界で最もやってる最先端のドクターが治っていなんだったら他は言わずもがな.でも治っているのはすごく治っている,とのこと.症例を選ばなければいけないということか.
TADに関するシンポジウムでは,コキッチ先生がこれまでの論文発表などのケースをこき下ろしていたのがかなりすごかった.何でもスクリューを打って動かしゃぁいいってもんじゃないよ,という警鐘だ.歯周のことや安定性・審美性のことなどをきちんと診断した上で使う必要があるということですね.
一つは透明ワイヤーで,かなり実用的なところまで来ている.光ファイバーのような樹脂でできているらしい.ただ曲げると折れるので,今後の進化に期待.
もう一つはSureSmileというサービスだが,これはブラケットの位置を口腔内ミラーのようなスキャナーでスキャンしてコンピューター上で3次元構築し,そのデータを会社に送ればロボットが正確にワイヤーベンディングをしてくれる,というもの.会場でロボットがワイヤーベンディングのデモをしていたのでYouTubeにアップした.数年前からこの会社はあるのだが,数年前は冷蔵庫みたいな装置がワイヤーを曲げていた.冷蔵庫からこのロボットへの進化はスゴイですね.こうしたコンピューター技術と,私たちがやっているような非抜歯テクニックが融合すれば無敵だと思うがいかに.日本にはこのサービスはまだ上陸していない.
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