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February 16, 2007

インターディシプリナリーカンファレンス

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アメリカ矯正歯科医会主催のインターディシプリナリーカンファレンスに参加してきました.

インターディシプリナリーとは,分野の違う専門医が共同で診断と治療ゴールを設定して一人の患者さんを治療して行く高度な医療体系のことです.アメリカやヨーロッパでは専門医制度が確立しており,各分野の専門医がチームを組んで治療に当たることが当たり前のようになっています.そして,そこにはもちろん矯正専門医も関わって矯正のテクニックも含めた治療がなされています.

今回のカンファレンスではそれぞれの分野からのスーパースタークラスの先生方のチームがそれぞれの考え方と治療について発表され,仕上がりのきれいさと治療ゴール設定の高さ,その治療予知性の高さなどを目の当たりにすることができました.

Img_1944ニューヨークのマンハッタン5番街にオフィスがあるセレンツァ兄の『チームマンハッタン』は,単純なケースから複雑なケースを3つのタイプに分類し,それぞれで治療の手順を解説していました.最も難しいType 3の,歯周病を伴う顎骨変位と歯牙欠損のある80歳を超えるおばあちゃんをフルマウスで治療したケースはびっくりするような審美的・機能的回復を遂げていました.それにしても彼らはプラザホテルの向かいで開業していて,写真のように,ジョージクルーニーと堺正章みたいなコンビでプレゼンも小気味よくジョークを交えたテンポの良い物で聴衆を飽きさせることなくすばらしいプレゼンをしていました.

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ヨーロッパからはザクリソン先生の『チームスカンジナビア』が20年以上にわたるインターディシプリナリーな治療の結果を踏まえ,30歳前の前歯部のインプラントは引き続きおこる上顎骨の前下方への転位のためにできる限りさけた方がよいということを示していました.では前歯部に欠損がある場合,どうするか.矯正で犬歯や小臼歯を前方に移動したり,自家歯牙移植によって歯を配列し,最終的に審美補綴をすることで天然歯列とほとんど見まがうようなきれいな結果を出されていました.それも長期で非常に安定しており,会場からは大きな拍手が起こりました.また,補綴専門医のトレスコッグ先生はバックトゥザフューチャーに出てくるドックのような雰囲気で,真っ赤な眼鏡に真っ赤なスカーフ・真っ赤な靴という出で立ちがよく似合う,さすがヨーロッパの先生,という感じです.

コキッチ先生の『チームシアトルワシントン』は,歯槽骨再生の矯正学的方法に関して,歯の位置づけを矯正学的な診断をうまく組み込んだ的確な方法を示されていました.コキッチ先生のセミナーは,去年サンフランシスコで受講しているのですが,いつもながら彼の非常にわかりやすいプレゼンテーションは健在でした.

チャックアレキサンダー先生の『チームモントローザ』はチーム医療を行うマネジメントやその利点についてうまくまとめてくれていました.彼はあの高名なウィックアレキサンダー先生の息子ですが,モントローザという人口1万6千人の田舎町で非常にクオリティの高い治療を行っています.アメリカではそのような田舎でも,そのような高いレベルでの治療を求める患者さんがおられるということです.彼のプレゼンはお父さんに似て,現実的かつシンプルなシステムを紹介されており,大いに参考になりました.

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チームを作ることで最も大きな利点は,専門医同士がお互いの情報交換をすることで知識とスキルを向上していけることでしょう.それによって患者さんにはより広い知識に基づいた予知性の高い治療方針を提案できるようになります.日本では,このような複雑な治療は一部の先進的な『スーパー』ドクターがやっているのが現状ですが,現実的には専門医クラスの知識と技術を一人のドクターが持ち続けるのは難しいでしょう.特に,矯正学的な知識や技術は,歯科医師免許を取ってから学ぶことになるので,いくら『スーパー』ドクターといえども本格的な知識を持っていることは難しいでしょうし,また,矯正専門医側からみても,歯周や補綴の知識は学生の時以来断絶しています.今回このカンファレンスにパートナーの歯周病専門医である浦野先生と参加したことで,お互いのコミュニケーションをより増やし,『チームオオサカ』を結成してより自分たちの治療レベルをあげていこうと意気投合できたことが一番の収穫でした.

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世界800人の参加者のうち日本人の参加者は矯正歯科医が賀久先生・篠原先生・山本先生のいつもの非抜歯チームに加え,アングルでいつもご一緒いただく黒田先生橋場先生,JIADSの前田先生,歯周病専門医が大阪の浦野先生,藤本研修会の藤本浩平先生,補綴医が賀久先生のお知り合いの小島先生,そして阪大総合診療部の前田芳信教授の合計11人のみでした.世界的に有名な技工士の桑田正博先生を輩出している日本なのに,インターディシプリナリーチームが世界で胸を張って発表できるのはいつのことやら.


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Comments

はじめまして。前歯欠損の場合、矯正で良い結果がでているのですね!希望が持てました。
先日10歳のこどもが交通事故にあい、前歯を1本欠損、2本が欠けました。
インプラントの適齢まで10年以上あり、それまでに骨が吸収されると聞いたので、どうすればよいのかと悩んでおりました。
前歯欠損の矯正については、奥歯から全て1本ずつ歯を動かす、、ということで否定的な情報もありますが、(将来的にかみ合わせが悪くなる、犬歯は動かさない方が良いなど)特に問題は無いと考えても良いでしょうか?
もちろん、ケースバイケースだと思いますが、先生のお考えを教えて頂けれるとありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

Posted by: サト | October 20, 2008 at 11:25 PM

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